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          メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第028号       ’00−01−21★

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    仕事を「しやすく」

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●「仕事を創り出せ」

 

なんてカッコよく言いますが、あなたにはどう聞こえますか?

 

たださえ手一杯なのに、もっと何か自分で見つけろって? そりゃムリだよ、、、

 

ごもっとも。 しかし言葉は解釈次第。 せっかく仕事に取り組むなら、ほかの

人とは違う何らかのプラスを付け加えよう。 その工夫をして欲しい、という話

だったら、ムリでもない、、、でしょう?

 

前号<頼み>方の工夫もその一つ。 仕事を授かった<後>の話でした。

<後>があるなら<前>もあって当然。 今回は、そちら側の研究です。

 

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●困難な問題と取り組んでいる人

 

を尊敬しない私ではありませんが、手を下す前にそれを処理<しやすく>する

努力を払いましたか?、という質問はしたいですね。 これ、講師の習性。

 

いわゆる試験問題と違い、現実の諸問題には<扱い方>を工夫する余地が常に

あるからです。 なのに、真面目な人ほど、その点を見逃しがちなもの。

 

正攻法は何か、てなカタイ話じゃありません。 最悪、「難しすぎるなら、問題

を変えてしまえ!」でも結構。 なのに、解きにくい形のままそれを抱え込んで

(苦しんでいる、と思いきや意外に平気で)、いつまでも解けず(いや、解かず)

にいる人もいます。 お世辞にも「賢い!」とは言って上げられないでしょう?

 

しかしご本人、気づかずにいるだけで、悪気はないはず。 だから、質問して、

気付かせよう、と。  そういう親切、必ずしも感謝されるとは限りませんが、、、

 

 

「変える」とは、言い換えれば<ステートメントをどう立てるか>ということ。

研修の場では、講師にもよりますが、受講者の実情に即した例で解説しますし、

立て方の要点を記述したテキストも配付します。  が、実はそのようにしても、

 

十分ではあり得ません。 課題なるもの自体が、部署により、また職位により、

個々別々である上、<どう立てるか>にも個性がからむ。 <扱い方>の工夫は、

いわば技法応用編、ひたすら成果重点、臨機応変で行くほか無いからです。

 

「おたすけマン」のEメール式 person-to-person サービスも、そのためです。

 

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テキストなど、印刷物に示されるのは一般的な例で、解説を聞けば一応ワカッタ気

になれる仕掛け。 しかしイザ我がこととなると、急にワカラナクなってしまうもの。

 

手がかりを求めて、バイブル「新・管理者の判断力」を開く、、、 と、、、何故か、

ステートメントの立て方の工夫に関して、何も見当たらないことに改めて気付く。

(翻訳の手抜きではなく、原典 The New Rational Manager に無いのです。) 私

には不思議で仕方ないが、、、アチラの人々には、そんな解説、要らないのかな?

 

とにかく、それが問題解決の第一歩。 ステートメントの立て方が上手なら、苦労

が少なくて済み、効果は大きい。 それがまずければ損がかさむ。 その巨大な差

を説明するには、、、申し訳ないが、よそ様の例を拝借しなくてはならない。

 

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「知的生産性向上システムDIPS」(小林忠嗣著 ダイヤモンド社’92年)の

冒頭にある目覚ましいお話です。 各種調査・経営相談の業務で、僅か1年の間に

生産性を何と10倍にも高めたという、文字通り「桁違い」の大成果。

 

いったい何をしたのか。 もちろん、これは Rational Process の参考書ではない

ので、それを<ステートメント>で説明してはいません。 が、私の読み方では、

明らかに<ステートメントの立て方>によって生じた違いなのです。 即ち、

 

<以前>のやり方は、まず顧客からの相談を素直に受け、マネージャーが吟味し、

その処理方法を考えて担当者に指示し、全力を挙げて取り組むというもの。 何の

不思議もない普通の、大真面目、一生懸命の働きぶりというべきでしょう。

 

<新しい>やり方は、<受ける>前に<一つ質問を入れる>のが特徴。 顧客が

たとえば「〜について調べて欲しい」と言われたら、「それは何のためですか?」と

尋ね、真の目的を確かめます。 「〜の成果を挙げたい」のだと分かれば、それを

達成する方法、あるいはその素案を、過去の蓄積から即座に見いだすことも可能で

あることが多い。 つまり、<ご要望通りの調査>抜きで顧客に満足が提供できる

かも知れない。 新格言「労少なくして、得るところ多し」!  たとえば、

 

「A業界の今後の動向を知りたい」という要望に、まず「何のため?」と質問する。

と、実は「その業界の需給バランスを確かめたい」とか、「手持ちの遊休地の活用を

図りたい」とか、分かります。 前者なら、改めて調査せずとも、データベースに

収まっている関連情報が活用でき、すぐ報告書作成に入れる。 後者ならもう一つ

質問し、その「遊休地」の特性を掴む。 その<変数>を、他の依頼で以前に作成

した類似の報告書に<代入>すれば一丁上がり。 仕事が10倍こなせるわけです。

 

質問せず、「はい」で受ければ、ステートメントはたとえば「A業界の将来的動向

の調査」。 しかし<調査>は時間も労力もかかり、しかもそれが必ず顧客の満足

につながるとは限りません。 質問して、ステートメントを改め、「A業界、需給

バランスの調査」とすれば、既存の統計資料が使えるかも知れない。 質問を重ね、

「遊休地X、活用策の選定」で行けば、案はいくらでも出る。 その中から顧客の

MUST、WANT に即した有力候補を絞って見せる。 よく考えてくれました、速いね、

と評価される。 大きな違いでしょう?  以上、対<外>的活用例。

 

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●<外>、つまり顧客、

 

を喜ばせることは、それ自体がビジネスの目的でもありますから、励んで当然です。

が、それだけでは済まない。 組織社会の一員としては、それ以上、<内>を喜ば

せることも心がけなくてはなりません。 宮仕え、お疲れさまです。

 

それは単に能力や努力だけで論じられない領域。 歴史や風土も絡むので、一般化

しにくい、、、つまり、適切な事例が見つかりにくい。 そこで、唐突ですが、、、

 

 

「平成X年度目標: 打てば響く高感度社員!」というのを拝借します。

 

近くのオフィス、窓越しに、そう書いた大きなボードが見えました。 些かマンガ

チックで、あまりにもアバウト。 これじゃ「目標」とは言えませんな、技法では。

まあ、せめて<スローガン>のレベル。 しかしこれ、、、何すりゃいいのかね? 

 

<スローガン>とは<標語>、<標語>とは、、おや? 目<標>を示す<語>句

じゃないんだ、辞書には「主義・綱領・理想などを短くハッキリ表わした文句」と

ある。 そうか、この会社、みんな高感度社員になることが<理想>らしいぞ、、

 

、、ということは、現在、皆さん<低感度>でいらっしゃるのかな? まさか!

もちろん<高感度>の人ばかりではないでしょうけれど、むしろそれが一般社会、

普通の姿だろうに。 みんなピリピリしてたら、、、そりゃ住みにくかろうぜ、、

 

*   *

 

、、てな妄想にふけるのはやめ、ともかくトップのご意向に沿って努力しましょう。

あなたがそこの社員だと想定して下さい。 さあ、何をなさいますか?

 

・「私は十分高感度ですから、」で、当面何もしない、とするのも一つ。 「そう

 思っていること自体、低感度の証拠だ!」と、雷が落ちて来るかも知れないな。

・考えてみれば、<高>も<低>も、明確な定義がなされていない。 で、「その

 点は?」とお伺いするのも一つ。 質問すると叱られる会社、もありますが、、

 

つまり、何かしなければまずいだろうし、ウカウカ質問も出来ない、、、困った、、、

 

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しかしトップが、「感度を高めてくれ」と希望しておられるらしいことは分かる。

 

それは何故? 「ウチの連中は感度が低い!」とトップを嘆かせる現象が、近ごろ

続発したのでしょうな。 それは何か? 分かっている人はもちろんいる。 まず

その人たちの話を集めるところから出発する、のが実用主義的ではあるまいか。

 

すると、たとえば、

・A部門では、有力顧客X社の注文を同業B社に奪われた。 どうもB社に比べ、

 我がA部門はX社に対する営業情報の感度が低い(とトップは考えている)。

・新事業Cが期待ほど伸びていない。 C担当部署の市場情報感度が低いからだ。

・ハイテク系新人の充当が進んでいない。 採用担当者の人材情報感度が、、、

 

などなど、具体的な事実が浮かび出て来るでしょう。 そうなれば、何をすべき

か、即ち<課題>、も明確になるだろう、そこから行動も起こせるだろう、、、と

いう積極的な感じになる。 それらを<ステートメント>にすると、たとえば、

 

・A部門、対X社受注失敗の原因究明 あるいは・B社、情報収集体制の調査

・A部門、対X社営業挽回策の選定

・新事業Cに関する状況把握 また・C事業関連、市場情報収集促進策の選定

・ハイテク系新人採用に関する状況把握 また・ハイテク系新人採用促進策の選定

 

ほかにも色々あるでしょうが、ともかくこうして、具体的な<課題>のリストに

します。 その上で各項目の重みを判別し、経営資源の配分や着手順を決めます。

 

各部署の重点項目が明らかにした上でご決裁を願い出れば、トップも喜ばれるで

しょう。 あのアバウトなスローガンより遙かに実行的に見えるであろうことは

間違いないのですから。 あとはそれで走るのみ。

 

さらに追加的要望がトップに生じた場合は、そのリストを前にして、どれをどう

変えましょうか、と伺って決め直せば良いでしょう。

 

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<感度>を高めろ! それはムズカシイ。 が、「感度が低い」という決め付けの

根拠となった<現象>に対処することは、別に難しくはないでしょう? つまり、

ヤサシクすることは出来る。 これが表題<仕事を「しやすく」>の意味です。

 

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あなたのムズカシイ問題、そのまま手を下しますか? それとも、、、?

                             ■竹島元一■

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